豊かな機能

先のページに当社の基本方針を述べさせて頂きましたが、このページでは住宅建築に関して当社のこだわる「豊かな機能」を少し踏み込んでご紹介させて頂きます。

 

A. 全居室南側採光が基本!
南側の採光は、本当に大切でかけがえのないものです。庇や軒の出を適切に調節すれば、冬の採光を取り込み、夏場の採光は遮断する事が出来ます。太陽光は殺菌作用があり、部屋の中を浄化します。又、体内時計を正常化したり、目覚め効果を高めたり、生活のリズムを整えたりもします。高温多湿な日本では、窓を開放して、室内のジメジメした空気を換気しながら太陽光で乾燥させる事が出来ます。当社では、断熱性能・機密性・空気清浄性能等と、小手先の材料に頼るよりも先に、太陽の恵みを適切に頂くプランを考察する事が大切だと考えています。

では次に、どの部屋を優先的に南側に配置するか考えます。皆さん、「居室」きょしつ、という言葉をご存知でしょうか? 建築用語で、「継続してよく使う部屋」を表します。住宅では、ダイニング・リビング・キッチン・子供部屋・主寝室が居室になります。建築基準法でも「居室」は人が豊かに生活する為の、各種の規定が有ります。

当社では、出来る限り、全居室の南側採光を確保したいと考えております。これは簡単な事ではありません。量産型住宅ではまず難しい。工夫のない四角い住宅では、子供部屋や主寝室などの優先順位の低い居室は、北側や西側に配置されてしまうケースが非常に多い。又、その様な住宅は、敷地の南側に建物が寄って来る為、折角の南側サッシに南側近隣住宅の影が伸びて来てしまうのである。全居室を南側に向けて並べ、きちんと採光を確保する為には、敷地の南側を空けた上で、東西に細長いプランニングが求められる。広大な敷地であれば別ですが、多くの日本の住宅敷地は面積が狭く、何かに偏った形状にしようとすると他が収まりにくく、この東西に長いプランの実現は難しい。なので、そこが当社の腕の見せ所!となります。

真四角の住宅では家の半分しか南側に面し無い。
又、南側隣地まで狭く、隣地の影が入って来る。
A-01-修正

 

当社のお勧めする全居室南側採光の配置平面
A-02-修正

 

B. 南側採光の為には適切な庇や屋根が必要!
南側に窓を設ければ太陽光は入ります。ただし、日本ではそれだけでは、夏に大変暑い住宅になってしまいます。日本の住宅には、夏の太陽光を的確に遮断する庇や屋根が必要です。しかし、庇や屋根があればいいというものではありません。冬の採光まで遮断してしまうと南側に設置した窓の意味がありません。夏冬の太陽の高さの違いを利用して、夏の太陽を遮断し、冬の太陽はなるべく室内に取り込む為の、適切な庇や屋根が必要になります。

日本古来の優秀な日本住宅はこの庇や屋根が非常に巧みに設計されています。先人達の知恵を現代住宅でも活用させて頂きます。又、庇や屋根は太陽光の調節だけで無く、雨や外壁の汚れも防ぎます。雨の多い日本では雨と仲良くするか否かで家の内外の連続性が大いに変化します。この様な庇は、出幅45cmや60cmの既成品の庇では意味がありません。日差しも雨も、60cmでは適切に制御出来ず、美しくも無い既成品の庇を「とりあえず付けた」だけになります。

分厚いカーテンや、ひどい時は雨戸シャッターを下ろしたままの量産型住宅の南側サッシを、皆さんの周りでも数多く見かけると思います。断熱性能の高いサッシやガラスをことさら謳い文句にする前に、適切な屋根や庇を計画するべきだと考えております。

 

太陽の高さの違いを利用した庇や屋根A、B、Cの寸法が重要!   南側に連続する計算された出幅の庇 雨の日も家の端から端へ歩ける。
機能-B-断面   南側に連続する計算された出幅の庇

 

C. 南北通風を確保する!
上記A・Bの項目により、適切な南側採光が確保出来た上に、日本の住宅にはもう1点加える必要があります。それは、南北方向への通風です。上記にも書きましたが、日本は高温多湿な風土です。南側採光を上手に制御した上で、停滞した空気を巡回させてあげたい。日本においては南北方向の通風が有効とされています。北側の窓は必ずしも大きな窓は必要ありません。宅内のドアを開けて北側の窓からの通風を確保しても良いでしょう。南側の窓ばかり意識が行き、北側の小さい窓は目立ちませんが、大変な効果を発揮します。エネルギー問題を謳い文句にし、省エネ商品や太陽光パネルを売りつける前に、まずは日本の気候を理解した上で、適切な家のしつらえを整えるべきだと考えます。

 

南北通風窓の1例
北側に窓を取れない場合でも、宅内のドアを開放し通風を確保出来る様に工夫。
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D .プライバシーの確保!
上記Aの様に南側採光を確保する事は大事ですが、その為に、道路からのプライバシーが確保されていない住宅を見かけます。特に接道が南側の場合、南側に面したリビングやダイニングが道路から丸見えになっています。南側には庭やテラスも配置されます。それらも道から丸見えです。プライバシーに関しては人それぞれ重要度が異なりますが、周囲からどの程度プライバシーを確保すべきかは重要な議題です。プライバシーは、防犯や安全確保とも連携します。

これら周辺環境との関係は家本体だけでなく、外構(庭・塀・門扉・アプローチ・駐車場等)との総合的で念入りな考察が必須です。量産型住宅の場合、外構が別途工事という事がほとんどで、この種の議論がほとんど不可能なのは当然です。

 

西側道路に沿って建てた高さ2mの格子塀
宅内側が見えにくいように格子の部材の角度を45°振ってある。 西側道路に沿って建てた高さ2mの格子塀

 

 

E. 意味のない廊下は短く!
ここからは家の内部機能に関してです。昔の日本の住宅は、長い廊下から各個室へ個別に出入りする様な平面計画が多く、各個室も分断され、廊下も長く計画されたものが多かった。それが近年になり、キッチン・ダイニング・リビングが同じ空間で連続していたり、又それらの空間から廊下を介さずに直接、その他の部屋にアプローチする様なプランが多く見受けられる様になってきた。各部屋の連動を、意味の無い廊下をなるべく廃し(意味のある廊下は必要)ながら行い、その廃した廊下の面積を部屋に取り込んで部屋を大きくする事は、限られた予算の中でなるべく大きな室内を確保する上でも重要な事である。廊下の短い設計は、部屋と部屋との連動がシビアで、遊びの少ない高度な平面計画となるので、能力の低い設計者には大変難しい作業です。

 

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 各部屋が連動し、意味の無い廊下が一切無いプランの1例
 
 
 
 

F. 子供部屋や主寝室は将来の家族の変化に対応出来る様に!
子供室のプライバシーをどこまで確保すべきか、という議論がある。子供達をなるべく共有空間で過ごさせるか、又個室にこもらせるかは、教育や家族のあり方等から考えるべき問題です。子供達が巣立って行った後の子供部屋の扱い方も想像しておくべきでしょう。残された子供部屋が物置にしかならないか、有意義な部屋となるかは、家に残った夫婦の生活環境に多大な影響を与えます。

当社では、議論も行わずに、普通に、壁で仕切られた子供部屋を創る事には疑問を持っております。家の計画は、家族の将来計画と考え、踏み込んだ議論を提起させて頂いております。

 

4枚の大型建具により仕切られた南側採光の2室の子供部屋。
開放すれば収納を除いて12畳の部屋に。
4枚の大型建具により仕切られた南側採光の2室の子供部屋

 

 

G. 工夫された収納は黒子的大活躍をする!
多くの皆さんが「収納は豊かにしたい!」とおっしゃいます。ご安心下さい♪。もちろん当社の収納は本当に豊かです。しかしながら、収納というのはあれば良い訳ではありません。家族習慣を綿密に聞き取りながら、繊細に計画しなければ、豊かな収納空間は出来ません。当社の収納計画の要点は5つあります。

1.収納は使用勝手を綿密に想像しながら、適材適所に配する!
使わない位置に収納があっても不便なだけです。欲しい位置に適正な広さの収納計画を。

2.見せる収納と見せない収納を明確に分類!
予算をなるべく控えながら豊かな収納を計画する為に、お客様に見せる収納は扉付きで中が見えない様に美しく。家族しか見ない収納は扉なしでラフに。

3.空間の上や下を有効利用!
普通は隠蔽されてしまう空間を上手に使うと、収納の可能性は飛躍的に広がります。

4.外部収納を設けると内部に余裕が生まれる!
家の中に置かなくても良い物や、逆に家の外に置きたい物って結構あります。 代表的な物では、雨具、ゴルフバック、釣り道具、子供玩具、園芸用品、BBQ道具、プール用品、ベビーカー等。濡れていたり、かさばる物が多いですね。 これらの為の外部収納を設けると内部の収納がすっきりします(積みっぱなしの車のトランクもすっきり♪)。

5.出来る限り本工事で家具や収納を創らせて頂く!
家具は別途工事で、お客様がホームセンターで購入する、というスタイルの同業他社様が数多くありますが、当社はお客様のお許しがある限り、本工事にて家具や収納も設計&施工させて頂いております。別途工事で既成品をポンと置くと、どうしてもサイズがバラバラになったり、同系色の色を選んでも多少の色の違いが生まれたり、なんだかごちゃごちゃしてしまいます。又、既成品だと微妙な使い勝手の悪さは我慢せざるを得ません。美しく&使い易くを求めるなら、やはり一体的に設計&施工だと思います。

 

 使い勝手に配慮した洗面所の収納    主寝室ウォークインクローゼット
収納内容が変化する為、あえて、創り込まない
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扉を付けて内部を隠す収納
お客様から見える部分は生活感を消してすっきり見せたい。
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空間の上下を有効利用した収納
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子供室ロフト&収納
楽しくかつ豊かな収納力
  多目的中二階スキップフロア
造作テーブル&カウンター収納
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H. 家族用玄関やシューズクローゼットを!
近年、お客様用玄関とは別に家族用のシューズクローゼットを設けるプランが多い。当社もその考え方には賛成である。お客様用玄関を普段、家族は使わず、家族用玄関を使う。建具で家族用玄関を見えないように創れば、お客様用玄関の掃除の手間を省く事に直結する。又、豊かで使い勝手の良い靴箱は、靴によるお洒落を促進し、生活を豊かにする。靴箱は何も靴の収納だけに限定されない。外へ持ち出す家族のカバンや帽子、鍵やマフラー、雨具等、そして、冷蔵庫へ入れる必要のない食材等の保存庫としての活用方法もあります。 玄関は下足と上足を分ける唯一の場所なので、この玄関の使い勝手の良さは家の内外の連動性を豊かにします。

 

可動棚の靴箱、換気窓、傘掛けパイプ、姿見鏡は当社では当たり前(全て本工事)です。
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I. 多目的要素を加味した、ビルトインガレージ(BIG)を勧めたい!
駐車場に関しての考え方に触れさせて頂きます。駐車場に屋根を付けるか付けないかは、車に対する考え方に左右されます。それはお客様のご意向次第です。しかしながら、もし屋根を設けたいというご意向なら、住宅本体と一体型のビルトインガレージ(BIG)をお勧めしたいと思います。 量産型住宅の多くは、外構は別途工事で、必然的に駐車場も別途工事です。そしてその駐車場の多くに既成品のカーポート屋根が採用されています。住宅本体と別途工事の為に、そのカーポートは住宅本体とのデザインの連動・一体感も乏しく、美しさに欠ける事になります。又、住宅本体とカーポートは別々に離れて造られている為、車を降りてから玄関に到達する途中で屋根が途切れて雨に当たる場所が必ず発生してしまいます。

BIGは建築の坪数も増え、予算も多く必要ですので要検討事項ですが、ただ単に「車の屋根」という用途ばかりでは無く、豊かで楽しい多くの魅力を付加した「多目的BIG」がお勧めです。家族用玄関と連動する事により、外部収納や物干し場として兼用したり、庭と連動して雨の日のサブグラウンドにも使えます。駐輪所やベビーカー置き場。お父さんの喫煙所になったり。もちろん、ガレージとしての車やバイクいじり、日曜大工や趣味の空間にも。ワンちゃんの小屋を置くご家庭もありますね♪。

 

1台駐車の多目的BIG
家族用玄関/物干し場/駐輪所
  3台駐車の多目的BIG
RC造/駐輪所/外部収納
1台駐車の多目的BIG   3台駐車の多目的BIG

 

 

J. なるべく本工事で!
最後に、家創りのどこまで当社が請負わせて頂きたいか(本工事・別途工事)のお話をさせて頂きます。もちろん、お客様のご意向が重要でありますので、この通りで無くても構いません。当社の気持ちとしては、というお話です。

別途工事内容は会社毎に違います。同業他社様にて別途工事の可能性のある工事を挙げてみましょう。

外構工事全般(エクステリア工事・庭園工事・駐車場工事)・エアコン工事・照明器具工事(後から取付可能なペンダント照明等)・カーテン/ブラインド工事・金物工事(ポスト、表札、物干し、ハンガーパイプ等)・鏡工事・造作家具工事・置き家具工事 etc。

何故、これらの工事が別途工事の事が多いかご理解されているでしょうか? 

それは、これらの工事が、「敷地ごとに内容が変わる」工事だったり、「お客様の好みが顕著に分かれる」工事だったりし、同じことの繰り返しが出来ない内容だからです。又、上記の別途工事が施工されていなくともお客様は最低限の生活を行い事が出来、お引渡し&引越し後に徐々に工事出来る内容です。多くの同業他社様は、見積りからこれら別途工事を除くことにより総合計金額を安く見せ、早々に契約→着工→引渡しする事を考えています。

これらの工事を一体的に本工事にて設計&施工した場合のメリットは、ここまで読んで頂いた賢明な方々であればすでにお気付きだとは思います。

■全てを連動して計画していくので、全体として美しく、機能的で使い易いものが出来る。■多くの別途工事業者と個別で契約・打合せ・工事する手間や間違いを省け、責任の所在も明確となる。■全ての工事を一本化すれば、諸経費の合計金額が下がり、工事費の総額も下がる。■全体を通して連続して工事した方が、全ての工事期間としては短縮される。

当社は出来る限り、全てを本工事でやらせて頂きたいと考えております。
建築業界の風潮や慣例を踏み越え、一歩でもお客様側に近づき、少しでも良い物が出来る可能性を高めて行きたいと思っております。

 

この写真に写っている物全て、当社の「本工事」です♪
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